__見知らぬ男に捕まえられた事、ナイフを突きつけられた事、首を絞められた事、意識を失った事、男の手が私の体を触っている事、性器を挿入されている事、口の中の舌を入れられた事、全てが突然落ちてきた恐怖だった。___(本文より)
15歳のあの日、私は高校生になったばかりでした。
友達と女子高生らしく遊びたい。恋もしたい。
あの日、
とても不思議な状態でした。
あの時、その夢の中で生きようと決めました。
それでも私の命は消えていきそうになる。
私は必死に生きたいと叫びました。
いくら叫んでも私の命は消えて行こうとする。
だから「生きろ!」と強く何度も叫びました。
どれほどの恐怖だったか、それを忘れる事はありません。
あの日、私の心は私を失いました。
私を喪失している感覚がはっきりとあったのです。
信じられませんでした。
レイプによって心が自分自身を失ってしまった事も。
その心の症状を止める事が出来ない事も。
私は自分自身の心が殺された事を知りました。
日常も人生も奪われた事を知りました。
どれほどの怒りと悲しみを抱え、
この本を書いたのは、
苦しかったあの時間、
どうやって生きたらいいのか分からない。
どうやったら症状が治るのか分からない。
だから同じような経験をしている人の話を聞きたかった。
私自身がそれを強く欲していた事もあり、
私がAV女優だった過去は特殊な事かもしれません。
けれど、被害者の行動としては特殊ではないのだと思う。
私にとって被害者としての過去もAV女優だった過去も私の人生で
その私の人生を書く事で、
AV業界にいた自分自身の事は私に起きた事であり、他のモデルに同じ事が起きていると言う訳ではありません。あまりに色々な事があり、それも私が症状と戦っている間の出来事でしたし、それも含めて私の人生です。それを書く事も一例として表すには必要だと考えました。
この本で被害者家族や周囲に被害者がいる方にも、
また、性犯罪について考えた事があまりないという方にも、
私は性犯罪や被害者の症状を知ってもらう事が被害者を救う事に繋
少し重たい内容に感じるかもしれませんが、
この本は、私の人生でもあり私の願いです。
是非、読んでみて下さい。よろしくお願い致します。
「よわむし」6月23日発売。双葉社さんより。