2017年6月8日木曜日

「よわむし」初の著書が6月23日発売されます。内容について、、です。

__見知らぬ男に捕まえられた事、ナイフを突きつけられた事、首を絞められた事、意識を失った事、男の手が私の体を触っている事、性器を挿入されている事、口の中の舌を入れられた事、全てが突然落ちてきた恐怖だった。___(本文より)









15歳のあの日、私は高校生になったばかりでした。
友達と女子高生らしく遊びたい。恋もしたい。どんな大人なるのかな?って自分の将来をドキドキしながら明るく夢見てる普通の女の子でした。

あの日、私は意識を失った夢の中で生きるか死ぬかの選択肢を自分に迫りました。
とても不思議な状態でした。少し気を緩めると私の命が消えて行きそうになっていたからです。だから、選択肢を迫る状態だと判断しました。表紙にある「死んでもいいや」という言葉はその夢の中での言葉です。

あの時、その夢の中で生きようと決めました。

それでも私の命は消えていきそうになる。

私は必死に生きたいと叫びました。

いくら叫んでも私の命は消えて行こうとする。

だから「生きろ!」と強く何度も叫びました。


どれほどの恐怖だったか、それを忘れる事はありません。記憶を取り去りたくても取り去る事は出来ませんでした。

あの日、私の心は私を失いました。

私を喪失している感覚がはっきりとあったのです。

信じられませんでした。
レイプによって心が自分自身を失ってしまった事も。
その心の症状を止める事が出来ない事も。

私は自分自身の心が殺された事を知りました。
日常も人生も奪われた事を知りました。

どれほどの怒りと悲しみを抱え、肉体だけが生きている私と過ごしたか、どれほどの苦痛が私を襲ったか、その事も忘れられる事ではありません。


この本を書いたのは、私のような経験をした方々に苦しい状態から抜け出せる日が来る事を知って欲しかったからです。そして、生きる為のヒントに少しでもなれればという思いからです。

苦しかったあの時間、私は自分と同じような経験をしている人を求めていました。
どうやって生きたらいいのか分からない。
どうやったら症状が治るのか分からない。
だから同じような経験をしている人の話を聞きたかった。他の人はどうやって乗り越えたのか知りたかった。
私自身がそれを強く欲していた事もあり、この本を書こうと決めました。


私がAV女優だった過去は特殊な事かもしれません。
けれど、被害者の行動としては特殊ではないのだと思う。
私にとって被害者としての過去もAV女優だった過去も私の人生です。
その私の人生を書く事で、被害者になった一人の人間の人生を一例として表せると考えました


AV業界にいた自分自身の事は私に起きた事であり、他のモデルに同じ事が起きていると言う訳ではありません。あまりに色々な事があり、それも私が症状と戦っている間の出来事でしたし、それも含めて私の人生です。それを書く事も一例として表すには必要だと考えました。


この本で被害者家族や周囲に被害者がいる方にも、症状やその状態を知ってもらえる事があるのではと思っています。

また、性犯罪について考えた事があまりないという方にも、性犯罪がどんなものか知ってもらえる事が出来ればと思います。

私は性犯罪や被害者の症状を知ってもらう事が被害者を救う事に繋がると思うのです。

少し重たい内容に感じるかもしれませんが、私自身に興味を持ってくれている方にも読んで頂けたら幸いです。

この本は、私の人生でもあり私の願いです。

是非、読んでみて下さい。よろしくお願い致します。





「よわむし」6月23日発売。双葉社さんより。






6 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

読ませていただきます

さんのコメント...

私と境遇が似ていたので驚きました。
私はファーストキスは痴漢、以後風俗業に従事していました。現在はヌードモデルをしております。
私は大塚咲さんのように強く生きることはまだ出来ていませんが、この本がきっと私の励みになると思います。
発売を楽しみにしておりますね。

正人 さんのコメント...

女優さんとして好きでした。
もちろん容姿もエッチな感じも好きでした。
いろんな企画をこなしていたのもバックボーンに一因があったかは自分にはわかりませんし、妖艶というどこか妖しさというものも一因なのかはわかりません。性犯罪被害者の気持ちなんていうのも僕には簡単に分かるとは言えません。
好きでもない人とのSEXは快楽として出来るけど、唾液を交わすようなキスは個人的には嫌だと感じるくらいで、性被害を考えるとその嫌悪感は行為そのものにも、自分に対しても何十倍となって襲いかかるのだろうという憶測でしか言えません。
だからこそ、好きだった大塚さんが何を感じ
どう生きてきたのか、弱さをつらさを苦しみを受けとめて歩いてきたその強さを
同年代の自分も拝見させていただきたいと思います。

匿名 さんのコメント...

今、『よわむし』読んでますが、ページをめくるのが辛く、少しずつ読んでます。写真展終わってしまって残念です。アーチストとしての活動興味持ってます。

匿名 さんのコメント...

この記事に不適切かもしれませんが、ブログ上に検索機能がなく、適切な記事にコメントできない為、お許しください。
大塚さんが引退なさったとは知らず、今でも大塚さんのAV時代の作品を見てます。
大塚さんは他の女優に増して興奮して好きです。
今はアーティストをなさってるのですね。

本出版おめでとうございます。
今後も応援します。
宜しくお願いします。

匿名 さんのコメント...

こんにちは。

やっと、読み終わりました・・・。

2ヶ月ぐらい、かかったでしょうか。

途中、辛すぎて放置して(笑)、やっと今、です。

自分の過去を思い出させるような場面や気持ちがたくさんあって、憎しみや怒りに飲み込まれたり、カフェで読んでいて思わず涙してしまったこともありました。

私も、自分の過去と再び向き合ったような感じです。

最後の方にもありましたが、大塚さんが事件直後から様々な角度で加害者のことを見たり感じていた内容、本当に大切だと思います。

冷静なその視点に何度も頷き、なんて感性が鋭く賢い女性なんだ、と思いました。

犯人はもちろん悪いけれど、本当は誰も悪くないのかもしれない。

ついこの間、性的な被害に遭っていた過去を話したら

「君の中にある甘さがあるからだ」

とか

「性欲が強いのが見抜かれている」

とか言われて傷つき、自分のせいなのかと悩みましたが、そうではないって本の中で言っていただけたようで、嬉しかったです。

こういう思いをしている人は、きっとたくさんいらっしゃるのでしょうね。


私は、大塚さんほど大変な被害にはあっていません。

でも、男も女も信じられない。

触らないで!って感じです。

そして今の大塚さんから見たら、まだまだ「答えを探し中」の人間です。

どちらかというと同じタイプで、ズブズブに突き進んで傷ついてもいいから納得する答えを見つける!って思っています。

自分は何なの?って知りたい。

そんなことをしても答えは見つからないよ、って言う人もいるけれど、それでも私にはそうすることが大切なんだって思っています。

大塚さんほど危ない進み方はしないけれど(笑)、もうちょっとスレスレのところでいきます(笑)(笑)。

最後に、生きていてくださって、ありがとう。

この本を書いてくださって、ありがとう。

私も自分のやりたいことを諦めないし、自分というアームを生きます。

そういった意味でも希望と勇気をいただきました。

また展示会などで、お会いできますように。

長々と、失礼しました。